この記事を読んでわかること
今回は「株式投資の未来」という本について解説していきます。
株式投資では配当が重要ってよく聞くけど、なんで重要なのかわからない
こう思った人はいませんか?
株式投資をする上で配当目当てで投資する人はもちろん、配当の重要性までわかる人は多くないと思います。
この本はそういった疑問を解消してくれる本です。私もこの本を読んで配当の重要性を再確認しました。
株式投資をする上では読んでおくべき一冊なので、興味がある人は是非、読んでいってください!
もくじ
「株式投資の未来」について
著者 | ジェレミー・シーゲル |
値段 | 2420円 |
ページ数 | 345ページ |
この本は全部で5章となっており、長期投資前提で考えて投資するならどういういった企業に投資するのがいいのか。というのがわかる本となっています。
長期投資です。短期投資ではないので覚えておいてください。
- 第1部 「成長の罠」を暴く
- 第2部 課題評価される成長株
- 第3部 株主価値の源泉
- 第4部 高齢化をめぐる危機と世界経済の力学シフト
- 第5部 ポートフォリオ戦略
著者のジェレミー・シーゲルさんはペンシルバニア大学のウォートンでフィナンシャルマーケットについて教壇をとっています。この本やシーゲル教授に感銘を受けた投資家が沢山いる株式投資界ではとても有名な方です。
「株式投資の未来」で学べる事
「成長の罠」について
成長の罠って何?
こう思う人がほとんどだと思います。
「成長の罠」とは
経済を牽引している企業や高い収益を上げている企業に投資をしても資産は増えない
という事です。
この本では2つの会社を例にしておりました。
- XOM
- IBM
1950年に戻り、1000ドルずつ上記の2つに投資し、それぞれの配当金を再投資し、半世紀後にはどちらがリターンがいいかシミュレーションをする。
結果は
- XOM 1000ドル→126万ドル
- IBM 1000ドル→96万1000ドル
となりました。
ちなみに、IBMの方がXOMより1株当たりの売上高、配当、利益とセクター成長率を上回っています。
この結果からわかるように
株式投資の長期リターンは企業の収益だけで決まるのではなく、その収益が投資家の期待に対してどうだったかで決まります。
なので、今流行りの業界やトレンドの企業に投資をしても短期的に見ればいいかもしれないが長期でみるとリターンは少なくなるという事です。
この本を読んで一番重要な所かなと思います。
最良な指標はPER
なぜ、成績の良い企業の方がリターンが低くなるのかわからない。
こう思うと思います。
これの答えは、
成長率が高くても成長期待により株価が高くなってしまった銘柄は買い増しが難しくなるからです。
株価が上がるというのは
投資家が会社の株を買う=その会社への期待が高い
と言うことになります。これを判断するのにPERがあります。
PERが高すぎると投資家は平均を上回る増益を期待します。なのでPERが極端に高い銘柄は株価も高くなっているはずです。
PERが高すぎるには何かしらの意味があります。
株を買う際はなんでPERは高くなっているのかという理解が必要になってきます。
配当の重要性
ここで重要になってくるのが配当金です。
投資家リターンの基本原則は株式が配当を生む時、効果が増幅する
簡単に言うと、
配当金を再投資すれば資産が増えると言うことです。
なので、
成長率が高くて成長期待も高くなった銘柄ではなく成長期待が低く成長率も低い銘柄
こちらの方が再投資する際の株数も多くリターンが増える。と言うことになります。
長期投資をするなら、話題のセクターを追い求めなくて良いというのがわかります。
「株式投資の未来」がおすすめな人
高配当投資をしている人
高配当投資をしている人は、配当金を出し続けている企業が成長するといった配当の重要性を再認識することができます。
銘柄選定する際に重要なこともこの本で学べます。
「株式投資の未来」がおすすめでない人
短期投資をしている人
この本は長期前提で話をしています。配当金が出たら配当を再投資するといった感じです。
株式投資をするうえで読んでおいた方がいいのはもちろんですが、短期投資家にとっては面白くない内容かもしれません。
「株式投資の未来」の感想
株式投資初心者がいきなりこの本を読むのは、あまりおすすめしません。
株式投資について使われる言葉や単語を理解してから読むようにしましょう。
というのも、株式投資をする上でよく使ったり、聞いた事がある言葉
- PERやPBR
- バリュー株、グロース株
- 減配、高配当利回り
といった言葉の意味を理解していないと頭に全く入ってきません。
逆に、株式投資関連の本をそれなりに読んでいる人は更に知識が付くと思います。
私はこの本を読んで、
PER~倍だから割安、割高
といった数字だけの判断だけでは良いリターンを得る事はできない。と学びました。
その他にも、
- 設備投資が高い水準の企業ほど運用成績が低い理由
- キャッシュが有り余るほどある企業がダメな理由
- 配当を下げない企業は長期的な生き残り企業である理由
こんな感じに勉強になることが沢山あるので株式投資の知識を付けたい人は是非読んでみましょう!
「株式投資の未来」のまとめ
今回は「株式投資の未来」について書いてきました。
まとめると
成長の罠
新興企業や話題のセクターは古い企業よりもリターンが低くなる
収益や売上は凄いけど、
投資家が新興企業や話題のセクターの株を買いすぎてPERが高くなり株価が上昇し、配当利回りが下がる。それにより、再投資を通じて増えていくはずの保有株が増えず資産が増えない
この本の一番重要な所です。
その他にも面白く勉強になる所があるので是非、読んでみてください!